銅は電気や熱の伝導性が高いほか、加工しやすく他の金属との合金も多岐にわたるうえ、腐食しにくいなどの特長があるため、さまざまな用途で用いられている。 一例を挙げると、電気機器のコネクターや熱交換器など、半導体では配線やチップを固定するリードフレームなどにも用いられている。用途が多いことは景気変動の影響を受けやすいことの裏返しでもあり、価格の動向から景況感を診断できる「ドクター・カッパ―」とも呼ばれている。 銅価格は上昇傾向を続けているが、EV(電気自動車)シフトやAIブームを背景に、今後も需要は増加するとみられている。EVではモーターやワイヤーハーネス(組み電線)に銅や電線が使われており、製造にはガソリン車の約4倍の銅を用いるとされている。また、AIブームで拡大するデータセンターなど向けの、送電ケーブル用途の需要も増加している。